韓国の国宝・崇礼門(南大門)のずさんな修復


 韓国の朴槿恵大統領は11日、韓国の国宝第1号で今年4月に修復を終えた「崇礼門」(南大門)に亀裂や剥がれが多数見つかったことを受け、原因究明と不正に関与した者を厳罰に処すよう命じた。

 李貞鉉(イ・ジョンヒョン)広報首席秘書官によると、朴大統領は、崇礼門をはじめとする全国の文化財を徹底して調査するよう指示した。また、崇礼門で見つかった亀裂などの問題が起きた原因を究明し、不正に関与した者には「厳罰」を与え、制度的な対策を用意することも命じた。朴大統領は今回の問題を重要視しているという。
2013年11月12日 (サーチナ)


韓国の国宝1号崇礼門(南大門)は2008年に放火で焼失し、2013年4月に修復作業を完了した。崇礼門の復元は、単純な文化財修復のレベルを超え、国民の喪失感を取り戻す象徴的な意味だった。しかし、拙速・手抜き工事で再び失望を与えている。

修復を完了して半年あまりで、瓦の変色、柱の亀裂、塗装が剥げ落ちが見られる。原因は、瓦を焼く前の水分や炉の温度が十分管理されていなかったり、生乾きの木材を使うなど、資材の調達に問題がある。工事費は、政府の施工単価表に基づいて算出され、施工段階で重層的な下請け構造で、労務単価と実際の労務費に大きな差があったことも指摘されている。

完全復旧に242億ウォン(約24億円)かかったものの、一方で広報性事業に多くの費用がかかった。2009-2012年の記念行事、関連映像制作、管理、運営費・用役費、崇礼門の展示補助金などに、資材費の2倍近い24億ウォン(約2.4億円)が支出された。 崇礼門の周辺整備にも38億ウォン(約3.8億円)が使われた。